がんの治療のご相談をご専門にされている医学博士の先生のお話を聞かせて頂く機会がありました。

がん細胞は、遺伝的に異常になった細胞で、増殖のスピードが正常細胞より早く、まずはその勢いを抑える必要がある時は手術、放射線、抗がん剤などの標準治療のほか、最近は生命保険の先進医療特約が適応できてロボット手術や、陽子線治療、重粒子線治療などの精度の高い治療法でがんを取り除く事ができるようになってきました。


しかし、一旦きれいにガンの部分を取り除く事ができたとしても、がん細胞を標的とした治療には弱点があるといいます。

まず、がん細胞は100分の1mmくらいの大きさなので、CTやMRIなどの画像診断では見つけられない事があります。加えて、取り残したがん細胞を抗がん剤で追い詰める治療をしたとしても、分裂して増殖する細胞だけを狙うので、細胞分裂を休んでいるがん細胞や幹細胞には効果がありません。

なので高い確率で再発したり転移する可能性があるので、そのような治療が一段落したら間髪入れずに自分の正常細胞を応援する代替補完療法などを組み合わせていく、そういうイメージをしながら治療計画を立てるのが賢い戦略だと先生は仰っています。
 
長年かけて出来たがん細胞は身体の中でシステムを作って周りの正常細胞も巻き込んでバランスを崩してしまっている状態なので、刺激を与えるくらいではビクともせず、1つの療法だけで良くなるのは至難の業で、3、つ4つの合わせ技をして多角的にアプローチをしてがん細胞のシステムを壊していくことが大切だと言われています。

確かに、今までご相談者様のお話を伺う中で良くなられた方がんを乗り越えられた方は、確かに食事療法だったり、温熱療法だったり、腸内環境をよくするサプリメントだったり、還元水だったり、酵素ジュース断食だったり、色々な方面から実践されていたなあととても納得しました。

先生のお話の中で特に興味深かったのは、がん細胞が好きなブドウ糖を断食などをして制限すると、正常細胞はミトコンドリアなどの別のエネルギー源からエネルギーチャージをして元気になるのに対し、がんは兵糧攻めになって弱っていき、それまで乳酸などの酸性環境でバリアを作って免疫細胞を遠ざけていたのが、乳酸のバリアも薄くなり、免疫細胞もがん細胞を攻撃できるようになって徐々に弱っていくというものです。これは、 代謝からがん治療を考えた時の図式です。

自分自身が生きたいのと同じように、がん細胞も含め、1つ1つの細胞も同じレベルで生きたいといいます。そこで、身体の中では、がん細胞も正常細胞もどちらも生き残りをかけて鬩ぎあいがおこっていて、あえてその細胞が苦手な環境を作れば当然生きれなくなって追い詰められる。

今の医学的アプローチは、がんを遺伝子の異常ととらえて不良品であるがん細胞を取り除く事に重きを置いたものが保険治療の主流だけれど、免疫や代謝からアプローチを考えたがん治療がどんどん結果をだしているとのことでした。ただ、残念なことにまだ自由診療が殆どだとのことでした。

お話しをまとめると、サプリメントで腸内環境を良くして、低酸素・低体温というがんが好むもう一つの環境を温熱療法で変えていき、栄養面からも、医学的にしっかりアプローチする。時々血液検査の数値など客観的にみて戦略を立て治す。そしてこのように合わせ技で、見えるがんを乗り越えるため一番大切なのは、見えない世界の考え方が核心だ言われます。


がんは生活習慣病なので、「どうして、自分はがんをつくってしまったのか」「これまでの生き方で無理な制約をかけていなかったか」「身体の声を無視しつづけていなかったか?」生き方を見つめなおし、新しい生き方へシフトチェンジしていく。 自分の治る力を信じて、そののような前むきなイメージで治療をとらえることが大切なのだと言います。
 分かりやすい例えをふんだんに盛り込んだ柔軟な考え方と決して、絶対「諦めない」姿勢で患者さんを全力でサポートする先生の親しみやすくて温かい人柄が伝わってきて元気と希望が沸いてくるお話でした。
続きは、希輝通信21号の紙面でお伝えさせて頂きますね。

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