玉川温泉

ガンに良いとされる温泉は日本各地沢山あります。今回は詳しく玉川温泉の岩盤浴や入浴方法等についてご紹介させていただきたいと思います。

玉川温泉 泉質と温泉の効能

泉質:酸性-含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)・アルミニウム-塩化物泉(等張性・酸性・高温泉)
●pH1.2と極めて酸性が強く、しかも遊離塩酸が遊離硫酸よりも 多く含まれる。(同じ強酸性泉として有名な草津温泉とは逆になっています。) ※pH1.2の値は、日本一。
●温泉が98℃の熱水で、無色透明な硫化水素臭のある強酸性泉です。
●1ケ所の源泉から湧出する温泉水は、毎分9,000リットルと日本一。湯川の底などから湧出する温泉水と合わせると全体で約12,000リットルの湧出量といわれております。
●源泉100%の浴槽内では、化膿菌や大腸菌などは5分で死滅するように、各種細菌類に対し、強力な殺菌力を発揮するため、浴槽内は無菌状態が保たれております。
●温泉地内の岩石・土砂・湯華・温泉水などには、微量の放射能(ラジウム、
トリウム、アクチニウムなど)が含まれております。
※人体への悪影響は心配いりません。
●世界でただ1ケ所「北投石」(特別天然記念物)が生成されている温泉です。
※台湾の北投温泉では、現在北投石の生成が見られないということです。

玉川温泉では、温泉療法を次の5つの総合作用によるものと考えております。
● 泉質刺激による療法(pH1.2の強酸性泉)
● 気候刺激による療法(海抜740mの気圧、森林浴、他)
● 入浴による物理的療法(浮力、圧力、温度)
● 地熱による温熱療法(岩盤浴)
● お客様同士による精神的ケア(情報交換、励ましあい、他)

(1)浴治効果

  1. リウマチを含む神経系統の疾患に対する効果
    入浴初期(3~7日目)には、副腎皮質機能の低下により、一時的な症状の悪化がみられますが、次第に温泉浴の効果が現れ、副腎皮質機能の亢進による症状の改善・治癒がみられます。
    ※副腎皮質機能の亢進→ステロイドホルモンの分泌を高め、自力での治癒を促進
  2. 血圧等循環器系統の疾患に対する効果
    玉川温泉は、高い血圧を下げ、正常血圧には余り影響を示さず、低い血圧は逆に上げるといった循環器系に好ましい調整作用があり、血中コレストロールの増加並びに血管に対する動脈硬化を抑制する効果があります。
  3. 脊髄性並びに脳性小児麻痺に対する効果
    脊髄性小児麻痺においては、調査事例中半数が筋電図でみると、放電間隔は狭くなり、また振幅の増大が確認されるなど明らかに筋機能の増強が確認されておりますが、45日以上の長期浴治が前提となっております。
    脳性小児麻痺においては、調査事例中6割に患肢筋力の増強、首のすわりの軽減、這行及びつかまり立ち方の好転、体動の円滑化、痙攣化・言語状態の好転など目立った効果のあることが明らかになっております。しかしながら、これらの病気は、整形外科医、内・小児科医、精神・神経科医、温泉療法医などの協力が必要不可欠となりますのでご承知おき下さい。
  4. 貧血症並びに白血球減少症に対する効果
    赤血球数・血色素、白血球数の増加並びにその持続がみられるなど、造血臓器を刺激し、その作用を賦活調整する働きがあることがわかっております。放射線業務などに従事されている方にとっては、良い保養・療養泉になると思われます。
  5. 皮膚病に対する効果
    白癬症、ウイダール苔癬、慢性湿疹、腫症などをはじめ、いわゆる慢性の皮膚病に対してかなりの効果が期待できます。 ※水虫も7~10日間の湯治で完治した事例もあります。
  6. 生体の免疫力・抗菌力の増強、健康増進に対する効果
    湯治3~5日目頃に一時的な抗菌力の減退があるものの、温泉浴を続けていくに従い、次第に抗菌力が増大し、10日目頃には温泉浴開始前の1.5~2倍にもなることから、身体の防衛力増強や治癒力の増進など好ましい効果が期待できます。
  7. 肝機能の活発化に対する効果
    肝臓の機能に重大な影響を及ぼすビタミンB2の代謝面からみると、湯治3~5日目では数値が減少して肝機能が一時的に減弱するものの、温泉浴を続けていくうちに増加に転じ、肝臓の代謝が活発化していきます。
  8. 疲労回復に対する効果
    開始数日後から身体の疲労は回復し、体調が良くなり、細胞亢進状態になることが立証されております。但し、度を越した入浴(回数・時間)は逆効果をもたらしかねませんので、適度な入浴をお薦めします。
  9. 細胞の活発化と若返りに対する効果
    身体の具合や調子などに及ぼす影響をみる皮膚導体内抵抗を測定の結果、細胞活動の亢進により、あたかも老人の皮膚が若い女性の手の甲のようになる作用を起こし、結果的には体調をよくして若返らせる働きがあります。これは、玉川温泉浴治効果の中でも特筆できるものといえます。

(2)飲用効果(大浴場内飲泉コーナー)

酸性泉として有名な草津温泉(含硫化水素酸性明礬緑礬泉)なども同様ですが、温泉水を源泉のまま飲用されますと、胃部不快感、軽い痛み、吐き気など急性胃炎の症状をおこします。しかし、2倍以上の希釈により胃粘膜への影響がなくなり、逆に次の効果が現れております。
※大浴場飲泉コーナーにて、予め2倍に希釈した状態で温泉水を提供しておりますので、備え付けのコップで更に5倍以上(源泉から都合10倍以上)に希釈してゆっくりと時間をかけて飲用して下さい。くれぐれも一気飲みやガブ飲みはお避け下さい。尚、飲用後は「歯の保護」のため「うがい」をするか、ストローを使って飲用して下さい。

  1. 温かい温泉水の効果
    胃粘膜の血管を拡張し、吸収を促進して胃の運動や分泌を抑制するため、胃潰瘍、胃酸過多症、慢性下痢症、慢性胃炎、胆嚢疾患、慢性肝炎などに適応性があります。また、新陳代謝を活性化させる作用があるところから、糖尿病にも効果があるといわれております。(腎不全などを併発している場合は飲用をお控え下さい。)
  2. 冷たい温泉水の飲用
    胃腸の運動や分泌を高めるため、胃酸減少症、無酸症、便通などに効果がある他、鉄もイオン化しているため吸収もよく、鉄欠乏症貧血にはより効果が認められております。

(3)蒸気吸引効果

蒸気に含まれる微量の硫化水素ガスの吸入により、気道の繊毛を刺激し、粘膜の再生を促進させて、気管支炎や風邪、喘息などに効果があります。
※大浴場内の「蒸気浴」「箱蒸し」の利用の他、源泉付近の散策や岩盤の利用により蒸気吸引の効果が得られます。

(4)その他

様々な疾患のお客様がいらっしゃいますが、個人差があり必ず治るとは断言できません。湯治により、自分自身が本来持っている免疫力・治癒力が向上し、その結果として回復に向かわれるものであることをご理解下さい。


岩盤浴

温泉地内の自然研究路脇に地熱のある岩場がありますが、付近一帯を「岩盤」と呼び、そこで行う温熱浴を「岩盤浴」と称します。国立公園地内ということで、手を加えることができないため、自然のままでご利用いただいておりますが、近年ご利用されるお客様も多く、手狭な状態となっております。
また、中にはゴミやゴザを放置したままお帰りになられる方もあり、他のお客様からマナーを疑う声も上がっております。玉川温泉では、近隣施設とも共同で定期的に周辺の美化清掃を行っておりますが、ご自分でお使いになられた物はそれぞれお片づけ下さいますようお願い申し上げます。

岩盤(テント周辺の岩場)

●時間 1回30~40分程度で1日1~2回 ●方法 地熱のある任意の場所を選び、岩肌の刺激を緩和させるために「ゴザ」を敷いて横になります。(「枕またはこれに代わるもの」もご準備下さい。)
熱を逃さないように、身体の上に「タオルケットまたは毛布」をかけます。
熱い所だと地熱が40℃~50℃にもなるため、同じ姿勢でおりますと低温火傷を招きます。
時折身体の向きを変えるようにしてご利用下さい。
岩盤浴では、加湿・保温による鎮痛効果や新陳代謝の促進が期待できます。
※大量の汗をかきますので、「着替え」と水分補給のための「水またはドリンク」をご持参下さい。

●装備 地面に横たわり、大量の汗をかきますので、「スエットやトレーナーなどの軽装」がよろしいでしょう。朝晩、また秋以降は外気が冷えていますので、ジャンパーなど上に羽織るものをご準備下さい。履物は、「ズックかサンダル」がベターですが、冬は水が流れている通路を歩きますので「長靴」が必要です。夜間に岩盤をご利用になる場合は、「懐中電灯」などの照明器具をご持参下さい。
岩盤周辺は、照明もなく夜は真っ暗です。お足元にご注意下さい。

※岩盤浴に使用する物は、貸し出し用はございません。全てご自身でご用意立ていただいております。
客室に備え付けの浴衣やスリッパの岩盤使用は、かたくお断りいたします。

岩盤浴についての諸注意

  1. ご湯治は、3日1巡り×3巡りで9日間を最低ラインとお考え下さい。
    可能ならば、2週間以上のご滞在をお薦めします。短期間で温泉の効果を期待するには無理があります。初めてご来泉いただく方は、2~3泊程度のご滞在で、温泉がお身体に合うかどうかをお確かめになられてから、長期のご湯治をご検討下さい。
    (お湯の刺激が強く、合わない方もいらっしゃいます。)
  2. 長旅の疲れは取ってからご入浴下さい。いきなりハードなご入浴をされますと、疲労卒倒、不眠、体熱感、風邪、食欲低下などを招きます。
  3. 源泉100%の浴槽
    ●時間 3~5分入浴・同時間程度休憩のパターンを2~3回繰り返します。
    ●方法 刺激が強いため、39℃くらいのぬるめの温度に調整されています。ゆっくりと浸かり、ゆっくりと上がるのが基本です。手足の関節や具合の悪い部位を動かしたり、さすったりしてご入浴下さい。温泉の効能が一番期待できる浴槽ですが、その分お身体への負担も増します。
  4. ぬる湯(源泉50%)
    ●時間 5分程度入浴・同時間程度休憩のパターンを2~3回繰り返します。
    ●方法 40℃くらいのぬるめの浴槽です。心疾患や高血圧の方にお薦めします。肩まで浸らず、乳腺あたりまでの半身浴で時折肩にお湯をかけるようにしてご入浴下さい。
  5. あつ湯(源泉50%)
    ●時間 1~3分程度
    ●方法 43℃~44℃の熱めの浴槽で、湯温が高い分お肌への刺激は強くなります。朝起き掛けや長湯は、血圧や心拍数の上昇を招き、心筋梗塞や脳梗塞等の血栓性疾患を誘発する要因となりますのでお控え下さい。特に、心疾患や高血圧の方はご注意下さい。
  6. 浸頭湯・寝湯(源泉50%)
    ●時間 1~3分程度入浴・同時間程度休憩のパターンを2~3回繰り返します。
    ●方法 いずれも40℃前後のぬるめの浴槽で、仰向けに身体を横たえて入浴します。 浸頭湯は、後頭部をお湯に浸すようにして短時間入浴します。使用後の爽快感が魅力です。寝湯は、深さ30cmの浴槽で首から下を浸すようにして入浴します。リンパ液の流れを良くするため、動脈硬化や高血圧などの方にお薦めです。
  7. 露天の湯
    ●時間 任意の時間(長めでも可)
    ●方法 源泉の異なる白濁のお湯は、酸性度もpH2.04(源泉100%の浴槽のお湯を10倍したと同程度)で、お肌への刺激も比較的弱いため、アトピー性皮膚炎やお肌の弱い方、また温泉皮膚炎で他の浴槽への入浴がつらいときにお薦めです。源泉50%の浴槽の入浴方法に準じてご入浴下さい。
  8. 打たせ湯
    ●時間 3~5分程度
    ●方法 首・両肩・背・腰などをゆっくり移動させながら打たせるようにします。その際、必ずタオルなどを当て、その上から打たせるようにして下さい。直接お肌を打たせたり、同じ箇所を長時間打たせますと、泉質が強すぎて皮膚に炎症をおこすことがあります。なお、動脈・静脈は直接打たせないようにご注意下さい。
  9. 蒸気湯・箱蒸し
    ●時間 3~5分程度
    ●方法 室温が50℃前後のサウナです。ゆっくりと深呼吸をして口から蒸気を吸い込むようにします。 発汗により新陳代謝が活性化しますので、神経痛やダイエットに効果があります。また、蒸気吸入は、気管支炎や風邪、喘息などにも効果があります。無理をせず、体調に合わせてご利用下さい。なお、心臓や血圧など循環器系統に疾患のある方は ご利用をお控え下さい。

玉川温泉に行ったレポートを坂井正典ふれあい日記で公開!詳しくはこちら


玉川温泉
〒014-1205 秋田県仙北郡田沢湖町玉川 
TEL 0187-58-3000 FAX  0187-58-3005

アクセス:
JR秋田新幹線「田沢湖駅」から路線バスにて「玉川温泉」下車
●秋田空港、花巻空港、大館能代空港からは予約制の相乗りタクシー「玉川温泉直行便」が運行しています。