
お口の健康が、全身に影響を及ぼす恐れがある。という話を
みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
今日お知らせしますのは
さまざまな病気の原因となりうる歯周病と
口内フローラについてお話ししたいと思います。

軽視することはできない歯周病
歯周病菌は、口腔内だけのトラブルにとどまらず
その毒素が血流にのって全身へ巡ることにより
さまざまな病気の原因となるとされています。
代表的な病気としましては
アルツハイマー病、心血管疾患、がん、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症、早産・低体重児出産、関節リウマチ、リーキーガット症候群、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝炎、肥満症・メタボリックシンドロームなどです。
ついつい放置しがちなお口の健康ですが
ぜひ、この機会に考え直す機会をお持ちいただければと思います。
歯周病とアルツハイマー病
2019年に発表された論文は衝撃的なものでした。
アルツハイマー病患者を対象とした調査で、なんと96%もの患者の脳からポルフィロモナス・ジンジバリス菌(Pg菌)が生み出す「ジンジパイン」というタンパク質分解酵素が発見されたというのです。
Pg菌は数百種ある歯周病菌の中で、もっとも病原性が高いとされている最近です。
そんなPg菌が、歯茎の中から歯周病を進行させ、さらには血管内に侵入し全身を巡った結果
口の中から脳へと侵入したものと思われます。
また、2017年にはマウスの実験で
歯周病が症状を悪化させる仕組みについても明らかとなりました。
アルツハイマー型認知症を発症しているマウスに歯周病菌を感染させて
歯周病ではないアルツハイマー型認知症のマウスの脳と比較しました。
すると、5週間後には歯周病に感染したマウスでは
記憶をつかさどる海馬でアルツハイマー病の原因とされているアミロイドβの量が1.4倍に増えていたのです。
これにより、これまでアミロイドβは脳内で産生・蓄積し老人斑を形成すると考えられてきましたが
Pg菌によって起こされた全身の炎症組織におけるマクロファージが、カテプシンBを介してアミロイドβが老人斑の原因になるということが分かったというのです。
プロバイオティクスと口腔ケア
腸内フローラという言葉は、もう随分と浸透していると思いますが
口内フローラという言葉をご存知ですか?
口腔内にも善玉菌と悪玉菌による腸内フローラのような
口腔内の細菌叢(サイキンソウ)が形成されているというのです。
ですので、腸内フローラを整える腸活があるように
口腔内においてもフローラも整えてあげることで
口腔トラブルを防ぐことができるということです。
現在、病院などでは歯周病菌に対して抗生物質(アンチバイオティクス)などを用いて
菌を殺す治療を行っていますが
薬が絶やせない。や歯周病菌には効果があっても口腔内の細菌叢が崩れるせいで
他の口腔トラブルが発生するという方も中にはいらっしゃったようです。
そこで、これからは副作用のない安心な予防法として生きた微生物(プロバイオティクス)が
脚光を浴びています。
これからの、口腔ケアは
口内フローラに注目が集まりそうです。
次回、口内フローラについてもう少しお話ししたいと思います。