「補完医療」の分野でがんにたち向かうために免疫を上げる方法として
さかんに研究が行われているものの中に「キノコ」があります。

キノコ類には、抗腫瘍効果があるといわれ、シイタケの抽出成分レンチナン、
カワラタケの抽出成分PSKはすでに抗がん剤として認可されています。
しかし、実験の結果テストした16種類のキノコの中で最もがんの増殖・
転移を抑えたのがマイタケ抽出成分であるMDフラクションでした。

いずれも、βグルカンという特殊な構造を持った多糖体ですが、
MDフラクションの場合は枝分かれが多く、いわばたくさんののれんが
ぶらさがっているような構造です。
そこに、免疫を担う細胞がぶつかり、シグナルを送る刺激を受けやすくなるため
免疫反応が活性化したのではないかと考えらています。

動物実験の結果では特に乳がんや肝がん、肺がんの増殖および転移に強い抑制効果が
見られました。

そこで、現在考えられているのが、抗がん剤とMDフラクションの併用によるがん治療です。

実際に抗がん剤の一つである、マイトマイシンを投与しながら、補完的に投与したところ半量にしても免疫細胞活性化の相乗効果により、強い抗がん作用が見られるという結果が得られました。

マイトマイシンでがん細胞は殺傷されますが、同時に免疫力も弱ってしまいます。
それが補完作用により免疫力が回復し、このような結果になったと考えられます。
シスプラチン、ドキソルビジンという抗がん剤との併用実験でも同様の効果が確認されました。

いずれも副作用の強い抗がん剤ですが、動物実験とヒト臨床試験のいずれにおいても
MDフラクションとの併用により単独使用にくらべ高い抗がん作用を示し、
自己免疫力を高めたり副作用をやわらげる結果が得られています。

これまでの臨床データでは乳がんや子宮がんといった婦人科系のがんや肝がん、肺がん、大腸がん
に対しては抗がん剤との併用時に60%ほどの患者に少なからず効果が表れています。

この婦人科系がんに特に高い効果をしめすメカニズムはまだ解明中ですが、おそらくMDフラクションに
女性ホルモンを調節する働きがあることと関係しているかもしれないと考えられています。

MDフラクション自身ではがん細胞を攻撃しません。あくまで免疫機能を向上させ、からだが持つ本来の
回復力を高めることを目的として使用されるべきです。

さらにMDフラクションの大きな特徴として経口投与でも効果があるということが挙げられます。
点滴注射や筋肉注射でないと効果を得ることができないものと違って、口から摂取可能ということは
すなわち小腸や大腸といった腸管に多く存在する免疫細胞に働きかけることができます。

まだ薬として認可されていないMDフラクションは誰でも手軽に服用できるので、保管医療において
このように科学的裏付けのある物質を服用できることは、決して小さくない利点といえます。

資料 栄養書庫6 P14~20より 引用させて頂きました。

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